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業務用サーバーの価格はどれくらい?用途別コスト比較と選び方

業務用サーバーの導入を検討する際、最も気になるのが「価格」ではないでしょうか。サーバーの価格は、用途や性能、運用形態によって大きく異なり、初期費用だけでなくランニングコストも考慮する必要があります。
本記事では、業務用サーバーの価格相場を用途別に解説します。
業務用サーバーとは?一般用との違いと特徴
業務用サーバーとは、企業や組織のITインフラを支える基盤となるコンピューターシステムです。一般的なPCと比較して、24時間365日の連続稼働を前提とした高い信頼性、処理能力、拡張性、そしてセキュリティ機能を備えています。
主な用途としては、企業内のファイル共有を担うファイルサーバー、WebサイトやWebアプリケーションを公開するWebサーバー、顧客情報や販売データを管理するデータベースサーバー、特定の業務アプリケーションを稼働させるアプリケーションサーバーなど多岐にわたります。
一般用PCとの決定的な違いは、単一障害点のリスクを低減するための冗長化設計、リモートからの高度な管理機能、そして長期的な安定稼働を支える堅牢なハードウェア構成にあります。これらの特徴が、業務用サーバーの価格を左右する主要な要因となります。
業務用サーバーの価格を決める主な要素
業務用サーバーの価格は、単に「箱」としてのハードウェア費用だけでなく、様々な要素によって変動します。ここでは、価格を決定づける主な要素を解説します。
ハードウェアスペック(CPU・メモリ・ストレージ)
- CPU(Central Processing Unit):サーバーの処理能力を決定する核となる部品です。コア数、クロック周波数、搭載数(デュアルCPUなど)が増えるほど高性能となり、価格も上昇します。
- メモリ(RAM):サーバーが同時に処理できるデータ量を左右します。大容量のメモリは、多数のユーザーアクセスや複雑なアプリケーションの高速処理を可能にしますが、その分コストも高くなります。
- ストレージ(HDD・SSD):データの保存容量とアクセス速度に影響します。高速なSSD(特にNVMe)はHDDよりも高価ですが、I/O性能が求められるシステムには不可欠です。RAID構成による冗長化も、ストレージコストに影響します。
これらのスペックは、サーバーの用途(例:Webサーバー、DBサーバー、仮想化基盤)や想定される負荷によって最適な構成が異なり、価格に大きく反映されます。
冗長性・可用性設計
業務用サーバーは、システム停止がビジネスに与える影響が大きいため、高い可用性(システムが継続して稼働し続ける能力)が求められます。これを実現するための冗長性設計は、価格に直結します。
- 電源の冗長化:二重化電源ユニットの搭載。
- ストレージの冗長化:RAID(Redundant Array of Independent Disks)構成。
- ネットワークの冗長化:NIC(Network Interface Card)の複数搭載。
- サーバー本体の冗長化:クラスタリング構成(アクティブ/スタンバイ、アクティブ/アクティブ)。
これらの冗長化対策は、部品点数の増加や追加ソフトウェアの導入を伴うため、必然的にコストが上昇します。しかし、障害発生時のダウンタイムを最小限に抑え、ビジネス継続性を確保するためには不可欠な投資です。
保守・サポート体制
サーバー導入後の安定稼働を支えるのが保守・サポート体制です。提供されるサポートレベルによって費用は大きく異なります。
- メーカー保守:サーバーメーカーが提供する保守サービス。オンサイト保守(障害時に技術者が現地に駆けつける)、パーツ交換、電話・メールサポートなどが含まれます。契約期間や対応時間(24時間365日、翌営業日対応など)によって価格が変動します。
- 第三者保守:メーカー以外の専門業者による保守サービス。メーカー保守終了後のサーバー延命や、複数のメーカー製品をまとめて保守したい場合に利用されます。
- ソフトウェアサポート:OSやミドルウェアの不具合対応、パッチ適用支援など。
長期的な運用を考えると、信頼性の高い保守・サポート体制は、万一のトラブル時にビジネスへの影響を最小限に抑える上で非常に重要です。
ライセンス費用
サーバーを稼働させるためには、OS(オペレーティングシステム)や各種ソフトウェアのライセンス費用が発生します。
- OS:Windows Server、Red Hat Enterprise Linux(RHEL)など。Windows ServerはエディションやCAL(Client Access License)数によって費用が異なります。
- データベース:Microsoft SQL Server、Oracle Databaseなど。CPUコア数やユーザー数に応じたライセンス体系が一般的です。
- 仮想化ソフトウェア:VMware vSphere、Microsoft Hyper-Vなどの仮想化基盤を構築する場合に必要となります。
- バックアップソフトウェア、セキュリティソフトウェア:データ保護や脅威対策のためのソフトウェアもライセンス費用が発生します。
これらのライセンス費用は、初期費用として一括で支払う場合と、年間サブスクリプションとして継続的に支払う場合があります。
設置環境と電源設備
オンプレミス型サーバーの場合、サーバーを設置する環境もコストに影響します。
- 設置スペース:サーバーラックの購入費用や、設置場所の確保。
- 空調設備:サーバーは大量の熱を発生するため、専用の空調設備やデータセンターレベルの冷却システムが必要です。
- 電源設備:安定した電力供給のためのUPS(無停電電源装置)や、冗長化された電源系統の整備費用。
- ネットワーク設備:高速かつ安定したネットワーク接続のためのルーター、スイッチ、ケーブルなどの費用。
これらのインフラ整備費用は、サーバー本体の費用とは別に考慮する必要があります。
オンプレミス型サーバーの価格内訳
自社でサーバー機器を購入・設置し、運用するオンプレミス型は、初期投資が大きくなる傾向がありますが、長期的に見ると運用コストを抑えられる可能性があります。ここでは、オンプレミス型サーバーの具体的な価格内訳を見ていきましょう。
初期費用:ハードウェア購入コスト
サーバー本体の購入費用が最も大きな初期投資となります。性能やメーカー、構成によって大きく変動しますが、一般的な企業向けサーバーであれば、数万円から数百万円、大規模なシステム向けでは数千万円に及ぶこともあります。
| カテゴリ | 想定規模 | 費用の目安 | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| エントリーモデル | 小規模オフィス・店舗 | 10万〜50万円 | 共有ファイルサーバー、小規模拠点 |
| ミドルレンジ | 中小企業・部門単位 | 50万〜200万円 | 基幹システム、データベース、仮想化 |
| ハイエンド | 大規模企業・データセンター | 200万円〜数千万円 | 大規模インフラ、HPC、基幹DB |
初期費用:導入・構築費用
購入したサーバー機器を実際に稼働させるための設定作業にかかる費用です。
| 作業項目 | 内容の詳細 | 備考 |
|---|---|---|
| OS・ミドルウェア設定 | Windows/Linux導入、Webサーバー、DBの初期設定 | システムの土台を作る作業 |
| ネットワーク設定 | IPアドレス、DNS、ファイアウォールの設定 | 通信経路と壁を作る作業 |
| セキュリティ設定 | ウイルス対策ソフト導入、アクセス制限設定 | 外部攻撃や不正利用を防ぐ作業 |
| アプリ導入・データ移行 | 業務ソフトのインストール、既存データの移し替え | 実業務に使える状態にする作業 |
| キッティングサービス | 上記設定の代行、動作確認済みの状態で納品 | 情シス部門の負担を大幅軽減 |
ランニングコスト:電気代・空調費
サーバーは24時間稼働するため、電気代が継続的に発生します。また、サーバーは大量の熱を発生させるため、適切な温度を保つための空調費用も必要です。
| 項目 | 算出方法・変動要因 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電気代 | 消費電力(W) × 稼働時間(h) × 電気料金単価 | 高性能なほど消費電力は増大する |
| 空調費 | 部屋の広さ、設置台数、室温設定により変動 | 大量の熱を発するため、24時間の冷却が必要 |
ランニングコスト:保守契約費用
サーバーのハードウェアおよびソフトウェアの保守契約にかかる費用です。一般的に、購入費用の5%~15%程度が年間保守費用として発生します。
| 項目 | 内容の詳細 | 年間費用の目安 |
|---|---|---|
| ハードウェア保守 | 故障時の部品交換、オンサイト(駆けつけ)修理、定期点検 | 本体購入価格の 5%〜15% |
| ソフトウェア保守 | OS/ミドルウェアのアップデート、パッチ適用、脆弱性対応、技術サポート | ライセンス価格の 15%〜20% |
ランニングコスト:更新・リプレース費用
サーバー機器には寿命があり、一般的に5年程度で更新・リプレースが推奨されます。この際、新たなハードウェアの購入費用に加え、データ移行、新システムへの切り替え、旧サーバーの廃棄費用などが発生します。
| 項目 | 内容の詳細 | 検討タイミング |
|---|---|---|
| 新ハードウェア購入 | 次世代サーバー本体および周辺機器の購入 | 導入から約5年 |
| データ移行・切替 | 旧サーバーからのデータ移設、新旧システムの切替 | 保守期限の終了前 |
| 廃棄費用 | 旧機器のデータ消去(物理破壊等)、廃棄処分 | 資産除去債務として考慮 |
クラウド型サーバーの価格内訳
クラウド型サーバー(IaaS:Infrastructure as a Service)は、インターネット経由でサーバーリソースを借りる形態です。初期費用を抑え、柔軟なリソース変更が可能な点が大きなメリットですが、従量課金制のためコスト管理が重要になります。
主要クラウドサービスの料金体系
AWS、Azure、GCPなどの主要サービスは、CPU・メモリ(インスタンス)、ストレージ、データ転送量の3要素に基づく「従量課金制」が基本です。利用した分だけ支払う仕組みのため無駄がありませんが、選択するスペックや稼働時間によってコストが細かく変動します。
従量課金制のメリット・デメリット
初期費用をゼロに抑え、必要に応じて即座にリソースを拡張できる柔軟性が最大のメリットです。一方で、利用量に比例して料金が上がるため予算管理が難しく、設定や運用次第ではオンプレミスよりも割高になるリスクも孕んでいます。
予約インスタンスによるコスト削減
1年または3年の継続利用を事前に約束することで、料金が最大75%程度割引される「予約型」の制度があります。24時間稼働し続ける基幹サーバーなどにこの制度を適用することで、通常の従量課金よりもランニングコストを大幅に抑えることが可能です。
データ転送量・ストレージ費用
クラウド外へのデータ送信量や、ストレージへの読み書き回数(I/O)に応じて「見えにくい費用」が発生します。アクセス頻度の低いデータを安価な保存先(アーカイブ)へ仕分けるなど、データの特性に合わせた階層管理がコスト最適化の鍵となります。
サーバー導入コストを抑える実践的な方法
サーバー導入は企業にとって大きな投資です。ここでは、コストを抑えつつ、最適なシステムを構築するための実践的な方法を紹介します。
リース・レンタルの活用
初期投資を大幅に抑え、月々の定額支払いでサーバーを導入できる方法です。リースは長期利用で税務上のメリット(費用処理)があり、レンタルはプロジェクト単位などの短期利用に最適ですが、総支払額は一括購入より高くなる点に注意が必要です。
中古・リファービッシュ品の検討
新品の半額以下で高性能な機器を入手できるため、初期費用を劇的に削減できます。メーカー保証が短いなどのリスクがあるため、止まることが許されない基幹システムよりも、開発環境やバックアップ用としての利用が推奨されます。
仮想化による統合
1台の高性能な物理サーバー上で複数の仮想サーバーを動かすことで、物理機の台数を減らします。機器の購入費用だけでなく、電気代、空調費、設置スペースといった維持費(ランニングコスト)をトータルで削減できるのが最大の強みです。
段階的な導入計画
最初から最大構成を目指すのではなく、必要な最小構成から始めてビジネスの成長に合わせて拡張します。過剰投資を防ぎ、初期のリスクを抑えながら、実際の利用状況に基づいた効率的な投資判断が可能になります。
補助金・助成金の活用
国や地方自治体は、企業のIT投資を支援するための補助金や助成金制度を提供しています。これらを活用することで、サーバー導入コストの一部を賄うことができます。
- IT導入補助金:中小企業・小規模事業者のITツール導入を支援する制度。サーバーやソフトウェアの購入費用が対象となる場合があります。
- 事業再構築補助金:新分野展開や事業転換など、企業の思い切った事業再構築を支援する制度。新たなITインフラ整備も対象となり得ます。
- 各自治体の補助金:地方自治体独自のIT化支援制度もあります。
これらの情報は、中小企業庁のウェブサイトや各自治体の広報、ITベンダーからの情報提供などで確認できます。申請には要件や期間があるため、情報収集と計画的な準備が重要です。
まとめ
本記事で紹介した価格決定要素やコスト削減策を参考に、戦略的なサーバー導入計画を策定し、企業のITインフラを最適化してください。
適切なサーバー選定とコスト管理は、企業の競争力強化に直結する重要な経営判断となります。サーバー選定にお困りの際は、まずはプロに相談するのがおすすめです。
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