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サーバー構築費用の相場は?内訳から運用保守まで

サーバー構築費用は、サーバーの種類や規模、求める性能によって大きく変動します。また、初期構築費用だけでなく、運用保守やライセンス費用など、継続的にかかるコストも考慮する必要があります。
本記事では、サーバー構築にかかる費用の相場と内訳を詳しく解説します。オンプレミス型とクラウド型の比較、構築後の運用保守費用、さらにはコスト削減のポイントまで、予算策定に必要な情報をお届けします。
サーバー構築費用の基礎知識
サーバー構築にかかる費用は、単に機器を購入して設置するだけではありません。多岐にわたる項目が含まれ、その費用構造もオンプレミス型とクラウド型で大きく異なります。
サーバー構築費用に含まれる項目とは
サーバー構築費用は、大きく分けて「初期構築費用」と「運用保守費用」の2つに分類できます。それぞれに含まれる主な項目は以下の通りです。
初期構築費用
- ハードウェア費用(サーバー本体、ストレージ、ネットワーク機器など)
- ソフトウェア・ライセンス費用(OS、仮想化ソフトウェア、データベース、アプリケーションなど)
- 設計・構築作業費用(要件定義、設計、機器設置、OS/ミドルウェア導入、設定、テストなど)
- ネットワーク配線・工事費用
- セキュリティ対策費用(ファイアウォール、アンチウイルスなど)
運用保守費用(継続的に発生する費用)
- 運用保守サービス費用(監視、障害対応、設定変更など)
- ライセンス更新費用
- バックアップ・災害対策費用
- 電気代、空調代(オンプレミスの場合)
オンプレミスとクラウドの費用構造の違い
サーバー構築を検討する際、オンプレミス型とクラウド型のどちらを選択するかは、費用構造に大きな影響を与えます。それぞれの特徴を理解し、自社に最適な選択をすることが重要です。
オンプレミス型
- 初期投資が大きい:サーバー機器、ネットワーク機器、ソフトウェアライセンスなど、すべての設備を自社で購入・導入するため、初期費用が高額になります。
- 月額費用は比較的安定:一度導入すれば、月々の費用は電気代や保守契約料が主となり、利用量による変動は少ない傾向があります。
- 資産計上:導入費用は自社の固定資産として計上され、減価償却の対象となります。
- 柔軟性の限界:拡張や縮小には追加投資や再構築が必要となり、柔軟性に欠ける場合があります。
クラウド型(IaaS/PaaS)
- 初期投資が小さい:物理的な機器の購入が不要なため、初期費用を大幅に抑えられます。
- 月額費用は従量課金制:利用したリソース(CPU、メモリ、ストレージ、データ転送量など)に応じて費用が発生する従量課金が一般的です。利用状況によって費用が変動するため、予算管理には注意が必要です。
- サービス利用料:費用は経費として処理されます。
- 高い柔軟性:必要に応じてリソースを迅速に増減できるため、ビジネスの変化に柔軟に対応できます。
費用を左右する主な要因
サーバー構築費用は、以下のようなさまざまな要因によって大きく変動します。見積もりを依頼する前に、これらの要素を整理しておくことが重要です。
サーバーの種類と規模
- 物理サーバー、仮想サーバー、クラウドサーバーのいずれか。
- CPUのコア数、メモリ容量、ストレージ容量、ディスクの種類(SSD/HDD)。
- 冗長構成の有無(RAID、HAクラスタなど)。
利用目的と用途
- ファイルサーバー、Webサーバー、データベースサーバー、アプリケーションサーバーなど。
- 基幹システム、開発環境、テスト環境など、求められる性能や可用性。
ユーザー数とアクセス数
同時にアクセスするユーザー数や、想定されるトラフィック量が多いほど、高性能なサーバーやネットワークが必要になります。
必要な可用性・耐障害性
システム停止が許されない場合は、冗長化構成や災害対策(DR)が必要となり、費用が高くなります。
セキュリティ要件
求められるセキュリティレベルが高いほど、専用のセキュリティ機器やソフトウェア、対策費用が増加します。
運用体制
自社で運用するか、外部の専門業者に委託するかによって、運用保守費用が大きく変わります。
ベンダー・SIerの選定
依頼するベンダーやSIerの技術力、実績、サポート体制によって、設計・構築費用や保守費用が異なります。
オンプレミスサーバー構築の費用相場
オンプレミスサーバーの構築費用は、企業の規模やシステム要件によって大きく異なります。ここでは、一般的な規模ごとの費用相場をご紹介します。ただし、これらはあくまで目安であり、具体的な費用は見積もりによって変動することをご理解ください。
小規模サーバー構築の費用相場(従業員50名以下)
従業員50名以下の企業における小規模サーバー構築は、ファイル共有、Active Directory、簡易的なWebサーバーなどが主な用途となります。比較的安価なタワー型サーバーやラックマウント型サーバー1台で構成されることが多く、費用を抑えることが可能です。
- 費用相場:50万円~200万円程度
- 主な内訳:
- ハードウェア(サーバー本体、OSライセンス含む):30万円~100万円
- ネットワーク機器(ルーター、スイッチ):5万円~20万円
- 設計・構築作業費用:15万円~80万円
この規模では、NAS(Network Attached Storage)を導入してファイルサーバーとするケースもあり、さらに費用を抑えることも可能です。
中規模サーバー構築の費用相場(従業員50~300名)
従業員50名~300名程度の中規模企業では、複数のサーバー(Webサーバー、データベースサーバー、業務アプリケーションサーバーなど)を連携させ、仮想化技術を導入するケースが増えます。冗長化やバックアップ体制も考慮されることが多く、費用は小規模に比べて高くなります。
- 費用相場:200万円~800万円程度
- 主な内訳:
- ハードウェア(複数台のサーバー、共有ストレージ、UPSなど):100万円~400万円
- ソフトウェア・ライセンス(OS、仮想化ソフトウェア、データベース、ミドルウェアなど):50万円~200万円
- ネットワーク機器(高性能スイッチ、ファイアウォールなど):20万円~50万円
- 設計・構築作業費用:30万円~150万円
仮想化を導入することで、物理サーバーの台数を減らし、リソースを効率的に利用できるため、長期的な運用コスト削減につながる場合もあります。
大規模サーバー構築の費用相場(従業員300名以上)
従業員300名以上の大規模企業では、基幹システム、大規模データベース、複数アプリケーションサーバーなど、高度な要件が求められます。高可用性(HA)、災害対策(DR)、セキュリティ対策が必須となり、仮想化基盤の導入やデータセンター利用も一般的です。
- 費用相場:800万円~数百万円以上
- 主な内訳:
- ハードウェア(高性能サーバー複数台、SAN/NASストレージ、ロードバランサーなど):300万円~1,000万円以上
- ソフトウェア・ライセンス(OS、仮想化基盤、エンタープライズDB、各種ミドルウェア、セキュリティ製品など):100万円~500万円以上
- ネットワーク機器(高性能ルーター、スイッチ、ファイアウォール、IPS/IDSなど):50万円~200万円以上
- 設計・構築作業費用:100万円~300万円以上
- データセンター利用費用(ラック代、回線費用など):月額数十万円~
大規模なシステムになるほど、専門的な知見を持つSIerとの連携が不可欠となり、設計・構築作業費用も高額になります。
サーバー構築費用の詳細内訳
サーバー構築費用は、様々な要素の組み合わせで構成されています。ここでは、各費用の詳細と相場について解説します。
ハードウェア費用
サーバー構築において最も分かりやすい費用項目の一つがハードウェア費用です。サーバー本体だけでなく、周辺機器も含まれます。
| 項目 | 種類・内容 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| サーバー本体 | タワー型 | 10万~50万円 | 小規模オフィス・店舗向け |
| ラックマウント型 | 30万~200万円 | 中〜大規模・データセンター向け | |
| ブレードサーバー | 20万~100万円/枚 | 高密度・大規模向け (別途筐体が必要) |
|
| ストレージ | 内蔵HDD/SSD | 数万〜数十万円 | 容量・速度・冗長性による |
| 外付け(NAS/SAN) | 20万〜数百万円 | 大容量・共有ストレージ用 | |
| 電源・周辺機器 | 無停電電源装置 | 数万〜数十万円 | 停電時の安全停止に不可欠 |
| サーバーラック | 数万〜数十万円 | 機器を格納する専用棚 |
ソフトウェア・ライセンス費用
サーバーを動作させ、機能させるために必要なソフトウェアとそのライセンス費用です。永続ライセンスとサブスクリプション型があります。
OS(オペレーティングシステム)
- Windows Server:エディションやCAL(Client Access License)数によって変動。数万円~数十万円。
- Linux(Red Hat Enterprise Linuxなど):サポート契約費用。年間数万円~数十万円。無償版(CentOS, Ubuntuなど)を利用すればOS費用はゼロですが、サポートは自社で対応するか、別途有償サポートを検討する必要があります。
仮想化ソフトウェア
- VMware vSphere:エディションやCPUソケット数、サポート契約によって変動。数十万円~数百万円。
- Microsoft Hyper-V:Windows Serverの機能として提供されるため、OSライセンスに含まれることが多いです。
データベースソフトウェア
- Microsoft SQL Server:エディションやコア数、CAL数によって変動。数十万円~数百万円。
- Oracle Database:エディションやCPUコア数、ユーザー数によって変動。非常に高額になることもあります。
- PostgreSQL/MySQL:基本的に無償ですが、有償サポートを利用する場合は年間数万円~。
ミドルウェア・アプリケーション
- Webサーバー(IIS, Apache, Nginx)、アプリケーションサーバー(Tomcat, WebLogicなど)、グループウェア、業務アプリケーションなど、利用するソフトウェアに応じて費用が発生します。
設計・構築作業費用
サーバーを導入する上で最も重要な部分であり、専門的な知識と技術が求められるため、費用も高額になる傾向があります。
| 工程 | 作業内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 要件定義・基本設計 | 何を作るか、性能やセキュリティ方針を決定 | 20万~100万円 |
| 詳細設計・機器選定 | 具体的な設定値やネットワーク図の作成 | 20万~80万円 |
| 設置・配線工事 | 実機の設置、LANケーブルの配線、通電確認 | 5万~30万円 |
| OS・ミドルウェア構築 | OS導入、仮想化、DBなどの設定 | 30万~150万円 |
| テスト・調整 | 動作確認、負荷テスト、セキュリティ確認 | 10万~50万円 |
ネットワーク・セキュリティ対策費用
サーバーをネットワークに接続し、外部と通信するために必要な機器と工事費用です。
ネットワーク機器
- ルーター/スイッチ:数万~数十万円
- ファイアウォール(UTM):10万~100万円以上(通信の分岐や制御)
- LAN配線工事:数万~数十万円
セキュリティ対策
- アンチウイルスソフト:年間数万円~
- WAF/IPS/IDS:数十万~数百万円(高度なWeb攻撃対策)
- 脆弱性診断:数万~数十万円(スポット実施)
サーバー運用保守にかかる費用
サーバーは一度構築すれば終わりではありません。安定稼働を維持し、セキュリティを確保するためには、継続的な運用保守が不可欠です。これらの費用も、長期的な予算計画に含める必要があります。
運用保守費用の相場と内訳
サーバーの運用保守費用は、一般的に初期構築費用の10%~20%程度が年間でかかると言われています。内訳は以下の通りです。
| サービス項目 | 内容 | 費用の目安(月額) |
|---|---|---|
| 監視サービス | 24時間365日の稼働状況・負荷チェック | 1万~10万円/台 |
| 障害対応 | 異常発生時の原因究明、復旧作業 | 月額に含むor都度精算 |
| 定期メンテナンス | OS再起動、ログ整理、アップデート等 | 月額費用に含む |
| 設定変更・問い合わせ | アカウント追加、設定変更時の実務 | 数万円~ |
| ライセンス更新 | OS・セキュリティソフト等の更新料 | 実費(年次払い等) |
監視サービスの費用
サーバーの稼働状況を常に把握し、異常を早期に検知するためのサービスです。自社で監視ツールを導入して運用することも可能ですが、専門業者に委託することで、監視体制の強化と担当者の負担軽減が期待できます。
- 死活・リソース監視:サーバーが動いているか、CPUやメモリに余裕があるかを確認
- ログ・プロセス監視:不正なアクセスログがないか、必要なシステムが停止していないかを確認
- アラート通知:異常時にメールや電話で担当者へ連絡
バックアップ・災害対策費用
データ損失やシステム停止のリスクに備えるための費用です。RPO(目標復旧時点)とRTO(目標復旧時間)の要件によって、必要な対策と費用が変わります。
| 項目 | 内容 | 費用の目安 |
|---|---|---|
| バックアップソフト | 自動バックアップを実行するツール | 年間数万~数十万円 |
| 保管用ストレージ | パックアップデータの保存先(HDD/クラウド) | 月額数千円~数万円 |
| 災害対策(DR) | 遠隔地へのデータ複製・予備サイト構築 | 初期・月額数十万円 |
セキュリティアップデート・パッチ適用費用
OSやミドルウェア、アプリケーションには、定期的に脆弱性が見つかり、セキュリティアップデートやパッチが提供されます。これらを適用する作業も運用保守の一部です。
- 作業内容:セキュリティパッチの適用、修正プログラムのインストール
- 費用の考え方:
- 月額保守に含む場合:毎月のルーチン作業として実施
- スポット依頼の場合:1回あたり数万~数十万円
- 放置のリスク:アップデートを怠ると、ウイルス感染や情報漏洩のターゲットとなり、結果的に数千万円規模の損害賠償につながる恐れがあります。
サーバー構築の見積もりを依頼する際の注意点
サーバー構築の見積もりは、複雑な要素が絡み合うため、適正な価格を判断するのが難しい場合があります。失敗しないためにも、以下の点に注意して見積もりを依頼し、内容を精査しましょう。
見積もり依頼前に整理すべき要件
ベンダーやSIerに正確な見積もりを出してもらうためには、自社の要件を明確に伝えることが不可欠です。以下の項目を事前に整理しておきましょう。
| カテゴリ | 伝えるべき内容 |
|---|---|
| 目的・用途 | ファイル共有、Web公開、基幹システム、開発環境など |
| 規模感 | 利用ユーザー数、扱うデータの総量、数年後の拡張予定 |
| 稼働時間 | 24時間365日必須か、夜間・休日は停止してよいか |
| 信頼性 | 故障時にすぐ切り替える冗長化が必要か、許容できる停止時間 |
| セキュリティ | アクセス制限、暗号化、ログ取得、ウイルス対策の基準 |
| 連携 | 既存の社内ネットワークや他システムとの接続があるか |
| 運用体制 | 構築後の管理は自社で行うか、すべて外注するか |
| 予算・納期 | ざっくりとした予算枠と、いつまでに稼働させたいか |
見積書でチェックすべきポイント
提示された見積書は、以下の点を中心に細部まで確認しましょう。
「一式」表記に注意
作業内容が「サーバー構築一式」となっていないか。設計、設置、設定、テストがそれぞれ分かれているか確認しましょう。
製品の型番とサポート期間
ハードウェアやソフトの型番は最新か? サポート終了(EOL)が近い古い製品ではないか。
責任分界点(どこまでやってくれるか)
「設置はするが配線は別」「OSは入れるがアプリの設定は別」など、作業の境界線を明確にします。
SLA(サービス品質保証)
故障時の駆けつけ時間や、復旧目標時間(RTO)が希望に沿っているか。
隠れたコストに注意
見積書に記載されていない、あるいは見落としがちな隠れたコストにも注意が必要です。
| コストの種類 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 電気代・空調代 | サーバーの消費電力と冷却費用 | オンプレミスの場合、年間で数万~数十万円単位に |
| 設置スペース | サーバー室の賃料やラック維持費 | 社内スペースを占有するコスト |
| データ転送量 | クラウドからのデータ取り出し費用 | AWS等のクラウドでは、通信料に応じて課金される |
| 追加ライセンス | ユーザー増に伴うCALの追加 | 5人増えるごとに数万円かかるケースも |
| 廃棄費用 | 入れ替え時のデータ消去・処分 | 物理破壊や証明書発行に数万円必要 |
まとめ
本記事では、サーバー構築にかかる費用の相場と内訳、オンプレミスとクラウドの比較、そして運用保守費用について解説しました。
最適なサーバー環境を構築するためには、信頼できるパートナー企業の選定が不可欠です。サーバー構築には、機器の選定から設定、設置、そしてOSやアプリケーションの導入といったキッティング作業も含まれます。これらの作業を専門業者に依頼することで、導入期間の短縮や品質の確保が期待できます。
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