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サーバー構築の依頼先はどこがいい?業者選びのポイントとは

企業のシステム基盤を支えるサーバー構築は、専門的な知識と経験が求められる重要な業務です。しかし、情報システム部門のリソース不足や技術者不足により、外部への依頼を検討する企業が増えています。
本記事では、サーバー構築を依頼する際の業者選びのポイントや、依頼先の種類、費用相場、そして失敗しないための注意点まで解説します。
サーバー構築を外部に依頼するメリット
サーバー構築を外部の専門業者に依頼することは、企業にとって多くのメリットをもたらします。情報システム部門の負担軽減だけでなく、より高品質で安定したシステム基盤の構築に繋がります。
専門知識と技術の活用
サーバー構築には、OS、ネットワーク、セキュリティ、データベースなど多岐にわたる専門知識と高度な技術が必要です。外部業者に依頼することで、自社に不足している専門スキルを補い、最新の技術動向を取り入れた最適なシステムを構築できます。
情報システム部門のリソース最適化
サーバー構築は時間と労力がかかるプロジェクトです。外部に委託することで、情報システム部門は日常の運用保守や戦略的なIT課題への対応など、コア業務に集中できるようになります。
コスト削減(長期的な視点)
一見すると外部委託費用が発生しますが、自社で専門技術者を育成するコストや、構築ミスによるトラブル対応コスト、機会損失などを考慮すると、長期的に見てコスト削減に繋がるケースが多くあります。
構築期間の短縮
専門業者は豊富な経験とノウハウを持っているため、効率的にプロジェクトを進めることができ、サーバー構築にかかる期間を短縮することが期待できます。
セキュリティレベルの向上
セキュリティ対策はサーバー構築において最も重要な要素の一つです。専門業者は最新のセキュリティ脅威に対応した知識と技術を持っており、堅牢なシステム構築を支援します。
サーバー構築の依頼先の種類と特徴
サーバー構築を依頼できる業者は多種多様です。それぞれの特徴を理解し、自社のニーズに合った依頼先を選定することが重要です。
システムインテグレーター(SIer)
企画から設計、構築、運用保守までを一貫して請け負う、総合力の高い依頼先です。大規模で複雑なシステム構築や、高いプロジェクト管理能力を求める場合に最適ですが、手厚い体制のため費用は高額になりやすい傾向があります。
サーバーベンダー
自社製のハードウェアやOSに精通しており、製品のパフォーマンスを最大限に引き出す構築と直接的なサポートが強みです。特定のメーカー製品を導入する際には非常に頼もしい存在ですが、他社製品を組み合わせた柔軟なシステム設計には制約が出ることもあります。
ITサポート専門業者
中小企業の「ITのかかりつけ医」として、サーバー構築からPC設定、日々の運用保守まで幅広く柔軟に対応します。コストを抑えやすく迅速な地域密着型のサポートが期待できますが、大規模システムの構築実績や技術レベルは業者によって差があるため見極めが必要です。
クラウドサービスプロバイダー
AWSやAzureなど、物理サーバーを持たずに仮想環境を提供する事業者で、初期費用を抑えつつ必要に応じてリソースを拡張できる柔軟性が最大の特徴です。ハードウェアの管理負担はなくなりますが、月額の従量課金コストの管理やクラウド特有の専門知識が必要となります。
フリーランスエンジニア
特定の技術に特化した高い専門性を持ち、直接やり取りができるため迅速かつ低コストな対応が期待できます。小規模なスポット案件には適していますが、大規模プロジェクトへの対応力や、長期的なサポート継続性、トラブル時のバックアップ体制には注意が必要です。
サーバー構築業者を選ぶ際のポイント
最適なサーバー構築業者を選定するためには、以下のポイントを総合的に評価することが重要です。
技術力と実績を確認する
自社の業界や規模に似た構築実績があるか、エンジニアが関連資格を保有しているかを確認します。サーバーの安定性は業者の技術力に直結するため、得意分野(仮想化、クラウド、セキュリティ等)が自社のニーズと合致しているかを見極めることが重要です。
対応範囲とサービス内容を把握する
設計から機器調達、初期設定(キッティング)、データ移行まで、どこまで任せられるかを明確にします。構築だけで終わらず、その後の運用保守までワンストップで対応できる業者を選べば、導入後の担当者の負担を大幅に軽減できます。
セキュリティ対策への取り組み
重要なデータを守るため、ISMS(情報セキュリティ認証)の取得状況や具体的なセキュリティ基準を確認します。構築時にどのような防御策を講じるのか、過去にどのようなインシデント対策実績があるかなど、信頼に値する安全基準を持っているかが鍵となります。
サポート体制とアフターフォロー
24時間365日の対応可否や、障害発生時の復旧目標時間(SLA)など、構築後のバックアップ体制をチェックします。トラブル時にすぐ動いてくれる窓口があるか、OSのアップデート等の定期メンテナンスが保守範囲に含まれているかを必ず確認しましょう。
料金体系の明確さ
見積もりの内訳が詳細(機器代、ライセンス料、作業工数など)に記載されており、追加費用が発生する条件が明確かを確認します。「一式」表記で中身が不透明な業者を避け、支払い条件やスケジュールが事前に合意できる業者は信頼性が高いと言えます。
コミュニケーション能力と対応スピード
担当者が専門用語を噛み砕いて説明し、こちらの要望を正確に理解して提案してくれるかを評価します。問い合わせへの返信スピードや、プロジェクト進捗の報告頻度は、トラブルなくスムーズに導入を進める上で非常に重要な指標となります。
サーバー構築の依頼時に確認すべき項目
業者選定後、具体的な契約に進む前に、以下の項目をしっかりと確認し、書面で合意しておくことがトラブル回避に繋がります。
構築範囲と仕様の明確化
どのようなサーバーを、どのような目的で、どのような機能を持たせて構築するのかを具体的に文書化します。
- 要件定義書:サーバーの目的、必要な機能、性能要件、セキュリティ要件などを詳細に記載。
- 設計書:ネットワーク構成図、サーバー構成図、データベース設計など、具体的な技術仕様。
納期とスケジュール
プロジェクト全体のスケジュールと、各工程のマイルストーンを明確にします。
- プロジェクト計画書:各タスクの担当者、開始日、完了予定日、依存関係などを明記。
- 遅延時の対応:納期遅延が発生した場合のペナルティや、対応策について合意。
保証期間と保守契約
構築後の保証内容と、長期的な運用を支える保守契約について詳細を確認します。
- 保証範囲:構築したシステムに不具合があった場合の無償対応期間と範囲。
- 保守契約内容:定期点検、障害対応、OSやソフトウェアのアップデート、バックアップ体制など。
- SLA(サービスレベルアグリーメント):サービスの品質保証レベル(稼働率、応答時間など)について合意。
ドキュメント整備の有無
構築されたサーバーの運用に必要な各種ドキュメントが整備されるかを確認します。
- 設計書:サーバーの構成や設定がわかる詳細なドキュメント。
- 運用手順書:日常の運用管理、トラブル発生時の対応手順などをまとめたドキュメント。
- 引き継ぎ資料:将来的に自社で運用する場合や、別の業者に引き継ぐ際に必要な情報。
引き継ぎ体制
構築完了後、自社で運用する場合や、別の運用保守業者に引き継ぐ場合の体制を事前に確認します。
- 運用担当者への説明・トレーニング:構築したシステムに関する知識や操作方法のレクチャー。
- 連絡窓口:引き継ぎ後の問い合わせ先や対応フロー。
サーバー構築で失敗しないための注意点
サーバー構築プロジェクトを成功させるために、特に注意すべき点をまとめました。
要件定義を曖昧にしない
要件が曖昧なまま進めると、後々の仕様変更による追加費用や、期待した性能が出ないトラブルを招きます。構築の目的や必要なスペック、関係者間の合意事項を必ず「要件定義書」として明文化し、ベンダーと共通認識を持つことが成功の第一歩です。
価格だけで判断しない
初期費用の安さだけで選ぶと、サポート体制の不備や、将来的な拡張性の欠如といったリスクが伴います。提示された金額にどこまでのサービスが含まれているかを精査し、品質や保証内容を含めた「費用対効果」を冷静に見極める視点が不可欠です。
複数社から見積もりを取る
市場価格を正しく把握するため、自社の要望をまとめたRFP(提案依頼書)を用いて複数社から相見積もりを取りましょう。各社の提案内容を多角的に比較することで、価格の妥当性だけでなく、各ベンダーの得意分野や対応の誠実さも見えてきます。
運用保守も含めた総合的な判断を
サーバーは構築して終わりではなく、その後の数年間が本番です。初期構築費だけでなく、保守費用や将来の更新費まで含めた「ライフサイクルコスト」で予算を組み、長期的に安定した運用を任せられる「パートナー」を選ぶ視点が重要です。
実績と評判を確認する
ウェブサイトの事例紹介だけでなく、自社の業種や規模に近い構築実績があるかを詳しく確認しましょう。導入後のトラブル対応の速さや、実際に利用している企業の口コミなど、第三者からの評価をリサーチすることで業者の真の実力がわかります。
まとめ
サーバー構築は企業のIT基盤を左右する重要なプロジェクトであり、外部業者への依頼は情報システム部門にとって賢明な選択肢です。しかし、数ある業者の中から最適なパートナーを見つけるためには、多角的な視点での検討が不可欠です。
本記事で解説した「依頼先の種類と特徴」、「業者選びのポイント」、「依頼時に確認すべき項目」、「失敗しないための注意点」を参考に、自社の要件に合致し、信頼できる業者を選定するのがおすすめです。適切な業者との協業を通じて、貴社のビジネスを支える堅牢で効率的なサーバー環境を構築し、IT戦略の成功へと繋げましょう。
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