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業務用サーバーの種類とは?特徴や目的別の選び方も解説

企業の情報システムを支える業務用サーバーは、用途や規模に応じてさまざまな種類があります。タワー型、ラック型、ブレード型といった形状の違いから、物理サーバーと仮想サーバーの使い分けまで、選択肢は多岐にわたります。
しかし「自社に最適なサーバーはどれなのか」「導入コストと運用負荷のバランスをどう取るべきか」と悩まれる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、業務用サーバーの種類とそれぞれの特徴、目的別の選び方について解説します。
業務用サーバーの種類と特徴
業務用サーバーは、その形状や設置方法によって主に3つの種類に分けられます。それぞれの特徴を理解し、自社の環境や目的に合ったものを選ぶことが重要です。
タワー型サーバー
一般的なパソコンに似た形状で、専用の棚(ラック)がなくても床や机に置いてすぐに使える導入しやすさが特徴です。初期コストが低く拡張性も高いため、小規模オフィスや店舗でのファイル共有などに適していますが、設置台数が増えるとスペースの確保や配線管理が難しくなります。
ラック型サーバー
専用のサーバーラックに横向きに積み重ねて収納するタイプで、データセンターや社内のサーバー専用室での利用が一般的です。効率的な冷却や配線管理ができ、高密度な集約が可能ですが、導入にはラック本体や空調・電源設備といった専用の環境を整える必要があります。
ブレード型サーバー
薄い基板(ブレード)を専用の筐体に差し込む超高密度タイプで、電源や冷却機能を共有することで省スペース・省電力を極限まで追求しています。大規模な仮想化基盤やデータセンターに最適ですが、初期費用が極めて高額であり、構成には高度な専門知識が求められます。
機能別サーバーの種類
サーバーは、その役割や提供する機能によっても分類されます。ここでは、主要な機能別サーバーについて解説します。
Webサーバー
ブラウザからのリクエストに応じて、Webサイトのテキストや画像、動画などのコンテンツを配信するサーバーです。ApacheやNginxが代表的で、企業の公式サイトやECサイトなど「インターネット上の顔」を公開するために欠かせない存在です。
メールサーバー
電子メールの送受信を24時間体制で仲介・管理するサーバーです。送信用のSMTP、受信用のPOP3/IMAPといった仕組みを使い、社内外の円滑なコミュニケーションを支えるとともに、スパム対策やウイルススキャンなどの役割も担います。
ファイルサーバー
社内ネットワーク内でファイルを共有・一元管理するためのサーバーです。部署ごとにアクセス権限を設定することで、セキュリティを担保しながら効率的な情報共有が可能になり、重要データのバックアップ先としても機能します。
データベースサーバー
顧客情報や在庫データなどの膨大な情報を整理して保管し、要求に応じて高速で提供するサーバーです。MySQLやOracleなどが広く利用されており、ECサイトや基幹システムの「記憶装置」として、データの正確な保存と検索を支えます。
アプリケーションサーバー
WebサーバーとDBサーバーの中間に位置し、複雑な計算や業務ルール(ビジネスロジック)を実行するサーバーです。Javaや.NETなどのプログラムを動かす実行環境を提供し、オンライン銀行の決済処理や大規模な業務システムの心臓部として機能します。
目的別サーバーの選び方
自社に最適なサーバーを選ぶためには、企業規模、業務用途、予算といった複数の要素を総合的に考慮する必要があります。
企業規模別の選び方
- 中小企業・SOHO:
導入・運用コストを抑えつつ、必要な機能を満たすことが重要です。タワー型サーバーや、クラウドサービス上の仮想サーバー、レンタルサーバーが有力な選択肢となります。専門の情報システム担当者がいない場合も多いため、運用が容易なサービスやサポート体制が充実している製品を選ぶと良いでしょう。 - 中堅・大企業:
大規模なデータ量、多数のユーザー、高い可用性が求められます。ラック型やブレード型サーバーによるオンプレミス環境、あるいはクラウドサービスを組み合わせたハイブリッド環境が主流です。仮想化技術を積極的に導入し、リソースの効率的な利用と柔軟な拡張性を確保することが一般的です。セキュリティと冗長性も最重要視されます。
業務用途別の選び方
- Webサイト運営:
アクセス数やコンテンツ量に応じて、Webサーバーの処理能力とストレージ容量を決定します。小規模なら共用レンタルサーバー、中規模ならVPS(仮想専用サーバー)やクラウドの仮想サーバー、大規模なら専用サーバーや複数のサーバーを組み合わせた構成が適しています。 - 基幹システム・業務アプリケーション:
高い安定性、可用性、セキュリティ、処理能力が求められます。データベースサーバーやアプリケーションサーバーとして、十分なCPU、メモリ、高速ストレージ(SSD/NVMe)を備えたサーバーを選定します。冗長化構成や災害対策も必須となります。 - ファイル共有・データバックアップ:
大容量のストレージと安定したネットワーク性能が求められます。ファイルサーバー専用機やNAS(Network Attached Storage)、クラウドストレージサービスなどが選択肢となります。データの保全のため、RAID構成や定期的なバックアップが重要です。 - 開発・テスト環境:
柔軟なリソース変更や短期間での構築・破棄が可能なクラウド上の仮想サーバーが非常に有効です。オンプレミスであれば、仮想化ソフトウェアを導入したサーバー上で複数の仮想マシンを稼働させることで、効率的な環境構築が可能です。
予算別の選び方
- 初期費用:
サーバー本体の購入費用、OSやソフトウェアのライセンス費用、設置費用などが含まれます。タワー型が最も安価で、ラック型、ブレード型と高くなります。クラウドサービスは初期費用を抑えやすいですが、ランニングコストがかかります。 - 運用費用:
電気代、空調費用、ネットワーク費用、保守費用、人件費などが含まれます。省電力設計のサーバーや、効率的な冷却システムは運用費用削減に貢献します。クラウドサービスは従量課金制のため、利用状況に応じたコスト管理が必要です。 - TCO(総所有コスト):
サーバー選定では、初期費用だけでなく、長期的な運用費用を含めたTCOで比較検討することが重要です。数年間の運用を見据え、故障時の修理費用やシステム更改費用なども考慮に入れましょう。
業務用サーバー選定時の重要ポイント
サーバー選定を成功させるためには、以下の重要ポイントをしっかりと確認することが不可欠です。
性能・スペックの確認項目
- CPU: 処理能力に直結します。コア数、クロック周波数、キャッシュメモリなどを確認し、想定される処理負荷に見合ったものを選びます。
- メモリ(RAM): アプリケーションの同時実行数やデータ処理速度に影響します。搭載容量だけでなく、ECC(Error-Correcting Code)メモリなど、信頼性の高いものが推奨されます。
- ストレージ: HDD(大容量・安価)かSSD/NVMe(高速・高価)か、容量、RAID構成などを検討します。I/O性能が求められるシステムではSSD/NVMeが必須です。
- ネットワーク: ギガビットイーサネット(GbE)が一般的ですが、高速なデータ転送が必要な場合は10GbE以上のインターフェースも検討します。冗長化のため、複数のNIC(ネットワークインターフェースカード)を搭載することも重要です。
拡張性・将来性の考慮
ビジネスの成長やシステムの変化に対応できるよう、将来的な拡張性を考慮しておくことが重要です。
- メモリやストレージの増設余地: スロットの空き状況や最大搭載容量を確認します。
- PCIeスロット: ネットワークカードやGPU、ストレージコントローラーなどの追加カードを挿入できるかを確認します。
- 仮想化対応: 仮想化ソフトウェア(VMware, Hyper-Vなど)を導入する予定がある場合は、CPUが仮想化支援技術に対応しているかを確認します。
- クラウド連携: 将来的にオンプレミスとクラウドのハイブリッド運用を検討している場合、クラウドサービスとの親和性も考慮に入れると良いでしょう。
可用性・冗長性
システムが停止しないように、可用性(システムが継続して稼働できる能力)と冗長性(システムの一部が故障しても全体が停止しないように予備を用意しておくこと)を確保することが極めて重要です。
- RAID(Redundant Array of Independent Disks): 複数のディスクを組み合わせて、データ保護や高速化を実現します。
- 電源の冗長化: 複数の電源ユニットを搭載し、片方が故障しても稼働を継続できるようにします。
- ネットワークの冗長化: 複数のNICやスイッチ、回線を用意し、障害発生時に切り替える仕組みを構築します。
- HA(High Availability)構成: 複数のサーバーを連携させ、片方がダウンしてももう片方が処理を引き継ぐ仕組みです。
- バックアップとリカバリ: 定期的なデータバックアップと、障害発生時の迅速な復旧計画は必須です。
保守・サポート体制
サーバーは精密機器であり、故障は避けられません。万が一のトラブル発生時に迅速に対応できる保守・サポート体制は、安心して運用するための重要な要素です。
- メーカー保証期間: 無償修理や部品交換の期間を確認します。
- オンサイト保守: 故障時に技術者が現地に駆けつけて修理してくれるサービスです。
- 24時間365日サポート: 休日や夜間でも対応してくれるサポート体制は、ミッションクリティカルなシステムでは必須です。
- SLA(Service Level Agreement): サービスの品質保証契約で、復旧時間目標などが明記されているか確認します。
また、サーバー導入時の初期設定やOSインストール、ネットワーク設定など、手間のかかる作業を専門業者に依頼することで、情報システム担当者の負担を大幅に軽減し、スムーズな運用開始が可能です。東信システムのキッティングサービスでは、お客様のニーズに合わせた最適な環境構築をサポートいたします。
まとめ
業務用サーバーは、企業のITインフラを支える基盤であり、その選定はビジネスの安定稼働と成長に直結します。本記事では、タワー型、ラック型、ブレード型といった形状の種類から、Web、メール、ファイル、データベース、アプリケーションといった機能別のサーバー、さらには企業規模、業務用途、予算に応じた選び方、そして選定時の重要ポイントまでを解説しました。
最適なサーバーを選ぶためには、現在のビジネス要件だけでなく、将来的な拡張性や可用性、そして保守・サポート体制までを総合的に考慮することが重要です。情報システム担当者の方は、本記事で紹介した情報を参考に、自社に最適なサーバー選定を進めていただければ幸いです。
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