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キッティングサービスに関するコラム

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オンサイトキッティングとは何か?PC設定を効率化する仕組みと流れ

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「新入社員の受け入れで、数十台のPCを準備しなければならない」 「全社的なPC入れ替え、一台ずつ手作業で設定するのは時間がかかりすぎる…」

企業のIT担当者や総務担当者の方なら、こうしたPCのセットアップ業務に頭を悩ませた経験が一度はあるのではないでしょうか。

特に、作業台数が増えるほど、担当者の負担は増大し、設定ミスや情報漏洩のリスクも高まります。外部に委託するにも「自社の環境で、セキュアに作業してほしい」と考えるのは当然のことです。

そんな課題を解決する有効な手段が「オンサイトキッティング」です。

この記事では、「オンサイトキッティング」の基本的な意味から、具体的なメリット・デメリット、作業の流れ、そして失敗しない業者選びのポイントまで、ITの専門家でない方にも分かりやすく解説します。

関連記事:PCの導入作業を効率化させるキッティングとは?

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目次

そもそも「キッティング」とは?

新しく購入したPCは、箱から出して電源を入れただけでは、すぐに仕事で使うことはできません。

この、購入したPCを業務で使える状態にするための一連の初期設定作業のことを「キッティング」と呼びます。まるで、必要な道具一式(キット)を揃えるようにPCを準備することから、このように呼ばれています。

具体的には、以下のような作業が含まれます。

  • OS(Windowsなど)の初期設定
  • インターネットや社内ネットワークへの接続設定
  • セキュリティソフトのインストール
  • WordやExcel、その他業務で使うアプリケーションのインストール
  • メールアカウントの設定やプリンターの接続

1台や2台であれば自社で対応できるかもしれませんが、数十台、数百台規模になると、これらの作業は膨大な時間と手間を要します。


「オンサイトキッティング」とは?オフサイトとの違い

キッティングを外部業者に委託する場合、その作業場所によって主に2つの種類に分けられます。その一つが「オンサイトキッティング」です。

オンサイトキッティングの基本的な意味

オンサイトキッティングとは、専門業者のスタッフが顧客のオフィスや指定の場所(= on-site 現地で)に直接訪問し、その場でキッティング作業を行うサービスのことです。

自社の会議室などを作業場所として提供し、目の届く範囲でPCのセットアップを進めてもらえるのが最大の特徴です。

オフサイトキッティングとの違いは「作業場所」

オンサイトキッティングの対義語が「オフサイトキッティング」です。これは、業者が自社の作業拠点(キッティングセンターなど)にPCを一度集めて作業を行い、完了後に顧客へ納品する方式を指します。

両者の違いを以下の表にまとめました。

項目 オンサイトキッティング オフサイトキッティング
作業場所 顧客のオフィス(現地) 業者の作業拠点
メリット ・セキュリティが高い
・輸送リスクがない
・仕様変更に柔軟
・現地環境で確認できる
・大量作業に適している
・自社の作業場所が不要
・比較的安価な場合がある
デメリット ・作業スペースの確保が必要
・費用が割高になる傾向
・輸送中の破損・紛失リスク
・情報漏洩の懸念
・仕様変更に対応しにくい
向いているケース ・セキュリティを最優先したい
・PCの社外持ち出しが禁止
・特殊な設定や現地確認が必要
・とにかく大量のPCを処理したい
・設定内容がシンプル
・社内に作業スペースがない

どちらが良いというわけではなく、自社の状況や優先順位に合わせて最適な方法を選ぶことが重要です。

オンサイトキッティングが選ばれる具体的なシーン

特に、以下のようなケースではオンサイトキッティングが強く推奨されます。

  • セキュリティポリシーが厳しく、機器の社外持ち出しが禁止されている場合
    金融機関や個人情報を多く扱う企業など、社内規定でPCや記憶媒体の持ち出しが厳しく制限されている場合に最適です。
  • 既存システムとの連携など、現地でなければ確認できない作業がある場合
    社内サーバーへの接続や、特殊な基幹システムとの連携確認など、実際の社内ネットワーク環境でなければ行えない設定が必要な場合に有効です。
  • 輸送のリスクを避けたい、すぐに利用を開始したい場合
    PCの輸送に伴う破損や紛失のリスクをゼロにしたい場合や、設定完了後すぐに社員に配布して業務を始めたい場合に適しています。

オンサイトキッティングを活用する4つのメリット

オンサイトキッティングには、担当者の安心感と業務の確実性を高める大きなメリットがあります。

【セキュリティ】情報漏洩リスクを最小限に抑えられる

最大のメリットは、セキュリティレベルの高さです。PCや内部データを一切社外に持ち出すことがないため、輸送中の物理的な紛失・盗難や、第三者による不正アクセスといった情報漏洩のリスクを根本から排除できます。自社の管理下という、最も安全な環境で作業が完結します。

【確実性】輸送中の破損・紛失トラブルがない

PCは精密機器であり、輸送には常に衝撃による破損のリスクが伴います。オンサイトキッティングであれば、自社内で開梱から設置までを行うため、輸送トラブルの心配は一切ありません。特に高価なPCを導入する際には大きな安心材料となります。

【柔軟性】仕様変更やトラブルにも迅速に対応できる

作業現場に自社の担当者と業者のスタッフが一緒にいるため、密なコミュニケーションが可能です。「急遽、このアプリケーションも追加でインストールしてほしい」といった仕様変更や、想定外のネットワークトラブルが発生した場合でも、その場で相談し、迅速に対応してもらえます。

【納得感】担当者立ち合いのもとで最終確認ができる

「納品されたPCの動きが、想定していたものと違う…」といった手戻りを防げるのも大きな利点です。作業の最終段階で担当者が立ち合い、実際の業務環境で動作確認を行うことができます。その場で仕上がりを確認し、納得した上で引き渡しを受けられるため、スムーズに業務を開始できます。

知っておきたいオンサイトキッティングのデメリットと対策

多くのメリットがある一方、事前に知っておくべきデメリットも存在します。対策と合わせて確認しておきましょう。

作業スペースの確保が必要になる

業者スタッフが作業を行うためのスペース(会議室など)や、PCを並べるための机、電源などを自社で用意する必要があります。特に大量のPCを依頼する場合は、ある程度の広さが必要になります。

【対策】 依頼する業者と事前に打ち合わせを行い、どれくらいのスペースや電源、どのような環境が必要になるかを正確に確認しておきましょう。

オフサイトに比べて費用が割高になる場合がある

専門スタッフを現地に派遣するため、その出張費や交通費が費用に上乗せされます。そのため、作業内容によってはオフサイトキッティングよりも費用が割高になる傾向があります。

【対策】 見積もりを取る際は、費用の内訳を確認しましょう。その上で、情報漏洩や輸送事故のリスク回避、柔軟な対応といったオンサイトならではのメリットを考慮し、トータルでの費用対効果を判断することが重要です。

オンサイトキッティングの具体的な作業内容と依頼の流れ【5ステップ】

実際にオンサイトキッティングを依頼した場合、どのような流れで進むのかを見ていきましょう。依頼から作業完了までをイメージすることで、スムーズな導入に繋がります。

STEP1:ヒアリング・要件定義

まずは業者に問い合わせ、どのようなPCを何台、どんな設定にしたいかを伝えます。OSのバージョン、インストールするソフト、ネットワーク設定、個別のアカウント設定など、詳細な要望をすり合わせ、作業内容とスケジュール、費用を確定させます。

STEP2:マスターPCの作成・検証

業者がすべての設定内容を盛り込んだ「マスターPC(見本となるPC)」を1台作成します。このマスターPCを元に、依頼した設定が正しく反映されているか、動作に問題はないかを顧客側で検証・確認します。ここで設定内容を確定させることが、後の作業をスムーズに進める鍵となります。

STEP3:現地でのクローニング(複製)・個別設定

マスターPCの承認後、業者のスタッフがオフィスに訪問します。専用のツールを使ってマスターPCの環境を他のすべてのPCにコピー(クローニング)し、PCごとの個別設定(使用者名やIPアドレスなど)を行っていきます。

STEP4:各デスクへの設置・動作確認

キッティングが完了したPCを、利用者が使う各デスクへ設置します。電源やLANケーブルの配線を行い、正常に起動するか、ネットワークに接続できるかといった最終的な動作確認を行います。

STEP5:作業完了報告・引き渡し

すべての作業が完了したら、業者から作業完了報告書や資産管理台帳などが提出され、引き渡しとなります。担当者は最終確認を行い、問題がなければ検収完了です。


失敗しない!オンサイトキッティング業者の選び方3つのポイント

オンサイトキッティングの効果を最大化するには、信頼できるパートナー(業者)選びが不可欠です。以下の3つのポイントを必ずチェックしましょう。

ポイント①:信頼できるセキュリティ体制か

自社内で作業するとはいえ、機密情報に触れる可能性があるため、業者のセキュリティ意識は非常に重要です。「プライバシーマーク(Pマーク)」や「ISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)」といった第三者認証を取得しているかは、信頼性を客観的に判断する一つの基準になります。

ポイント②:実績や対応規模は十分か

自社が依頼したいPCの台数や、作業を依頼したい拠点(例:全国の支店など)に対応できるかは必ず確認しましょう。業者の公式サイトで過去の導入事例や対応可能な規模を確認し、自社のニーズと合致するかを見極めることが重要です。

ポイント③:業務内容を柔軟にカスタマイズできるか

基本的なキッティング作業だけでなく、付随する業務にどこまで対応できるかも重要な選定ポイントです。「資産管理シールの貼付」「古いPCのデータ消去や回収」「利用者向けの簡易マニュアル作成」など、周辺業務までワンストップで任せられる業者を選ぶと、担当者の負担を大幅に軽減できます。

まとめ:オンサイトキッティングでPC設定業務を安全・効率的に

この記事では、オンサイトキッティングの基本からメリット・デメリット、具体的な流れ、業者選びのポイントまでを解説しました。

  • オンサイトキッティングとは、顧客のオフィスでPCの初期設定を行うサービス。
  • メリットは「高いセキュリティ」「輸送リスクゼロ」「柔軟な対応力」。
  • デメリットは「作業場所の確保」と「割高になる可能性」だが、対策は可能。
  • 業者を選ぶ際は「セキュリティ」「実績」「柔軟性」の3点が重要。

PCのセットアップ業務は、企業の生産性とセキュリティを支える重要な業務です。オンサイトキッティングは、その負担を大幅に軽減し、コア業務に集中できる環境作りを後押しする、非常に有効な選択肢と言えるでしょう。

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