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PCキッティングを効率化する方法

さまざまなIT機器を活用する企業のなかには、PCキッティングに頭を抱えている方も多いのではないでしょうか。
IT担当者にとって非常に手間がかかる作業でもあり、人手不足が深刻化する現代では、キッティング作業の効率化も課題の一つになっています。
PCキッティングを効率化することで、コスト削減や生産性向上、セキュリティ強化などの実現が期待できます。
そこで、PCキッティングを効率化する具体的な方法を、わかりやすく解説します。
PCキッティングとは
PCキッティングとは、業務用PCを新たに導入する際に行う一連の初期設定作業のことを指します。
具体的には、OSのインストールやアップデート、業務に必要なアプリケーションのインストール・設定、各種ドライバの設定、ネットワーク接続設定、ユーザーアカウントの作成、セキュリティポリシーの適用など、多岐にわたる作業が含まれます。
このような作業は、一見すると単純に見えるかもしれませんが、実際には「人手」と「時間」が大きくかかる工程です。
1台あたり数時間かかることもあります。
特に、数十台、数百台といった規模での導入となると、1台あたりにかける手作業が全体の生産性や納期に直結するため、効率化が非常に重要です。
情報システム部門の立場から見ると、PCキッティングは「社内インフラの品質」を左右する業務の一つであり、ここでミスや設定の抜け漏れが発生すれば、現場の業務遅延やセキュリティリスクの原因になります。
さらに、昨今の働き方改革やテレワーク対応の流れも相まって、「より短期間で、どこでも安全にPCを利用開始できる体制づくり」が求められています。
このような背景からPCキッティングは、「業務効率化・生産性向上・セキュリティ対策」といった観点からも、戦略的に見直すべき業務となっています。
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PCキッティングを効率化する方法
ここでは、PCキッティングの効率化を実現するための代表的な方法を3つ紹介します。
作業手順・マニュアルを作成する
キッティング作業を効率化するうえで、最も基本的かつ効果的なのが、標準化された「作業手順書」や「マニュアル」の整備です。
設定項目が都度異なったり、作業者ごとに手順がばらついたりすれば、ミスが発生しやすくなります。
これを防ぐためには、すべての機器に共通する設定内容や、OSごとのバリエーションを洗い出し、チェックリスト形式で手順を可視化することが重要です。
また、マニュアル類はキッティング対象機器や業務要件の変更に応じて、定期的に見直すことも重要です。
余裕をもったスケジュールにする
PCのキッティングは、意外と時間がかかる業務です。
OSやアプリのインストールは自動化できても、ネットワーク設定やアカウント管理、ライセンス認証などの作業は、時として想定外のトラブルを引き起こすこともあります。
そのため、導入計画の段階から「トラブル発生時の予備日」を確保しておくことが重要です。
特に繁忙期や期初などは、情報システム部門全体が立て込む時期でもあるため、あらかじめ余裕のあるスケジュールを引くことで、無理なく安定した導入が可能になります。
キッティングサービスを利用する
もっとも大きな効果を得られるのが、専門の外部業者による「キッティングサービス」の活用です。
外注サービスを利用することで、社内の人的リソースを割かずに大量のPCを短期間で整備できます。
また、キッティングのプロが作業するため、設定の誤りやインストールされていないソフトウェアがあるといった人為的ミスも低減。
均一化されたPCで、業務標準化や生産性向上にも寄与します。
サービス提供会社のなかには、キッティング前後のサポートまで提供しているところもあり、企業のIT運用全体を支えるパートナーとしての活用も期待できます。
まとめ
PCキッティングは、単なる初期設定作業ではなく、業務効率やセキュリティ、社内のIT環境全体に直結する重要な業務です。
人手不足やIT人材の多忙化が進むいま、従来の手作業に頼った対応には限界があり、効率化は避けられない課題となっています。
効率化を図る方法としては、まず「作業マニュアルの整備」による標準化、次に「余裕を持ったスケジューリング」によるトラブル回避、そして外部の「キッティングサービス」の活用による作業負担の軽減が有効です。
特にキッティングサービスの利用は、一定のコストが発生するものの、それ以上の時間的・人的リソースの節約や、品質向上、セキュリティリスクの低減といった多くのメリットをもたらします。
今後のIT戦略を見据え、貴社でもPCキッティング業務の見直しと効率化を検討してみてはいかがでしょうか。