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POSレジ導入の流れとは?費用相場・メリット・選び方も解説

「POSレジの入れ替えを任されたが、何から手をつければいいかわからない」 「見積もりを取ったら金額に幅がありすぎて、適正価格が判断できない」というお悩みをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
本記事では、POSレジ導入の具体的な7つのステップから、費用相場、そして「導入後に後悔しないための選び方」まで解説します。
POSレジとは?
POSレジ(Point Of Sale System)とは、単に会計をするだけの機械ではありません。 「いつ・誰に・何が・いくらで売れたか」というデータをリアルタイムで収集・分析する、店舗経営の核となるシステムです。
従来のレジが「お金の管理」を目的としていたのに対し、POSレジは「データの活用」を目的としています。 そのため、導入に際しては「どんな機能が必要か」だけでなく、「他のシステム(在庫管理やECサイト)とどう連携させるか」という視点が不可欠になります。
POSレジ導入の流れ
POSレジ導入は、単に機器を設置するだけでなく、計画的なプロセスが必要です。情報システム部として、各ステップでどのような準備と確認が必要かを見ていきましょう。
STEP1:導入目的と要件の明確化
POSレジ導入の成否は、この最初のステップにかかっています。まずは「なぜPOSレジを導入するのか」という目的を明確にし、それに基づいて必要な要件を具体化します。
STEP2:予算の策定と社内承認
初期費用だけでなく、運用後のランニングコストも含めた「総保有コスト(TCO)」で予算を組みます。 社内承認を得る際は、「業務効率化による人件費削減」や「在庫ロス削減」などのROI(費用対効果)を示すとスムーズです。
STEP3:製品の比較検討・資料請求
要件に合う製品をピックアップします。 この段階では、機能表だけでなく「サポート体制(土日も電話が繋がるか)」や「企業の信頼性」もチェックしましょう。
STEP4:デモンストレーション・トライアル
カタログスペックだけで決めるのは危険です。必ず実機を触りましょう。 現場スタッフ(アルバイトの方など)に触ってもらい、「直感的に使えるか(UIのわかりやすさ)」を確認することが、導入後の混乱を防ぐ鍵です。
STEP5:契約とシステム設計
ベンダーを選定し、契約を結びます。 同時に、ネットワーク構成やセキュリティ設計(VPN構築など)を詰めていきます。この段階で、データ移行のスケジュールも確定させます。
STEP6:端末のキッティングと設置
ここが情報システム部の負担が最も大きくなるフェーズです。 端末が届いたら、以下の作業(キッティング)が必要です。
①開梱・検品
②OS・アプリのインストール
③ネットワーク設定・セキュリティ設定
④周辺機器との接続テスト
⑤資産管理シールの貼付
STEP7:スタッフ教育と運用開始
マニュアルを作成し、説明会を実施します。 運用開始直後はトラブルが起きやすいため、初日はシステム担当者が待機するか、ホットラインを用意しておくと安心です。
POSレジ導入にかかる費用相場
POSレジの導入費用は、システムの形態(クラウド型かオンプレミス型か)、必要な機能、端末台数、業種・業態などによって大きく変動します。ここでは一般的な費用相場について解説します。
初期費用の内訳と相場
初期費用は、ハードウェアの購入費や導入時の設定作業費が中心となります。
| 費目 | 具体的な内容 | 費用相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ハードウェア費用 | POS端末本体(タブレット、PC、専用端末) | 5万円~30万円(1台あたり) | タブレット型で既存端末を使えば節約可能 |
| 周辺機器(バーコードリーダー、プリンター、ドロワーなど) | 数万円~20万円 | 必要な機器の数により変動 | |
| ネットワーク機器(ルーター、Wi-Fiアクセスポイント) | 数万円~ | 安定した通信環境のために必要 | |
| ソフトウェア費用 | ライセンス料 | 無料~数百万円 | クラウド型は初期安価、オンプレミス型は高額な傾向 |
| 導入・設置費用 | 設定・工事・キッティング(初期設定、データ移行、配線工事など) | 数万円~数十万円 | 複数店舗や大規模システムほど高額になる |
| 教育費用 | スタッフ研修 | 数万円~ | ベンダーに依頼する場合のみ発生 |
月額費用(ランニングコスト)の相場
POSレジは導入後も継続的に費用が発生します。主なランニングコストは以下の通りです。
| 費目 | 具体的な内容 | 費用相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|---|
| システム利用料 | クラウド型POSの月額料金 | 数千円~数万円 | 機能の多さや端末台数に応じて変動 |
| 保守サポート費 | 電話・リモート・訪問修理など | 要確認 | 利用料に含まれる場合と、別途契約が必要な場合あり |
| その他諸費 | 通信費(ネット回線)、消耗品(レシート用紙など) | 実費 | - |
自社に最適なPOSレジの選び方
多くのPOSレジの中から自社に最適なものを選ぶためには、多角的な視点での検討が必要です。情報システム部として特に重視すべきポイントを解説します。
業種・業態に適した機能の確認
POSレジには、特定の業種・業態に特化した機能を持つものがあります。自社のビジネスモデルに合致するかを確認しましょう。
- 飲食店向け:テーブル管理、オーダーエントリーシステム連携、予約管理、売上分析(客単価、時間帯別など)。
- 小売店向け:在庫管理(多店舗連携、棚卸し)、顧客管理(ポイント、会員ランク)、ECサイト連携、免税販売対応。
- 美容室・サロン向け:予約管理、顧客カルテ管理、スタッフ指名管理、回数券・コース管理。
既存システムとの連携性
POSレジは孤立したシステムではありません。 「既存の会計ソフトに売上データが自動で飛ぶか?」「ECサイトと在庫が連動するか?」といったAPI連携の充実度を確認しましょう。ここが弱いと、CSVのダウンロード&アップロードという手作業が永遠に残ります。
サポート体制の充実度
自社の営業時間帯にトラブル対応してくれるサポート窓口があるか、駆けつけ対応(オンサイト保守)があるかなど、自社に適したサポートがあるか確認しましょう。
POSレジ導入時の注意点
POSレジの導入を成功させるためには、事前に考慮すべきいくつかの注意点があります。情報システム部として特に留意すべきポイントを解説します。
導入スケジュールに余裕を持つ
POSレジの導入は、製品選定から運用開始まで多くのステップがあり、予想以上に時間がかかることがあります。特に既存システムとの連携や複数店舗への展開を伴う場合は、十分な期間を見積もることが重要です。
- 要件定義、ベンダー選定、契約、システム設計、キッティング、設置、テスト、スタッフ教育まで、各工程に適切な期間を設定しましょう。
- 予期せぬトラブルや調整に備え、バッファ期間を設けることを推奨します。一般的には、半年から1年程度の期間を想定するのが現実的です。
ネットワーク環境の整備
クラウド型POSレジはもちろん、オンプレミス型POSレジでも、データ連携やソフトウェアアップデートのために安定したネットワーク環境は必須です。
- 安定したインターネット回線:有線LANを基本とし、無線LAN(Wi-Fi)を利用する場合は電波強度や安定性を確保する。
- セキュリティ対策:不正アクセス防止のため、ファイアウォールやVPNの導入を検討する。
- 帯域幅の確保:ピーク時のデータ通信量に耐えうるネットワーク帯域があるかを確認する。
ネットワークが不安定だと、レジの動作が遅延したり、データが正確に送信されなかったりするリスクがあります。導入前にネットワーク環境のアセスメントを実施しましょう。
セキュリティポリシーの見直し
POSレジの導入は、顧客の個人情報や決済情報を扱う範囲が広がることを意味します。これにより、既存のセキュリティポリシーを見直し、新たなリスクに対応する必要があります。
- データ保護:POSデータ(売上データ、顧客データ)の暗号化、アクセス権限管理、バックアップ体制を強化する。
- 端末管理:POSレジ端末への不正アクセス防止、紛失・盗難時の対応策を確立する。
- スタッフ教育:情報セキュリティに関するスタッフへの定期的な教育を徹底する。
情報システム部として、セキュリティリスクアセスメントを実施し、必要な対策を講じることが不可欠です。
POSレジ導入の費用を抑えるポイント
POSレジの導入にはまとまった費用がかかりますが、いくつかの工夫でコストを抑えることが可能です。
必要最小限の機能から始める
最初から全ての機能を導入しようとすると、費用が高額になりがちです。まずは自社のコア業務に必要な最小限の機能から導入し、段階的に機能を追加していく「スモールスタート」を検討しましょう。
- 必須機能とあれば便利な機能をリストアップし、優先順位をつける。
- 将来的な拡張性を考慮しつつ、まずはシンプルなプランから始める。
クラウド型POSレジの活用
クラウド型POSレジは、オンプレミス型に比べて初期費用を大幅に抑えられる傾向があります。
- サーバー構築やソフトウェアライセンスの買い切りが不要なため、初期投資が少ない。
- 月額料金制のため、費用を平準化しやすい。
- システムの保守・運用はベンダー側が行うため、情報システム部の負担も軽減される。
ただし、インターネット環境に依存するため、安定したネットワーク環境が必須となります。
レンタル・リースの検討
POSレジのハードウェアは、購入だけでなくレンタルやリースも選択肢に入れることで、初期費用を抑えることができます。
- レンタル:短期間のイベント利用や、まずは試してみたい場合に適しています。
- リース:数年単位で利用する場合に、初期投資を分散できます。資産計上や税務上のメリットも確認しましょう。
補助金の積極的な活用
国や地方自治体では、中小企業のIT導入を支援するための補助金制度を設けています。POSレジ導入も対象となる場合がありますので、積極的に情報を収集し、活用を検討しましょう。
- IT導入補助金:中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助する制度。
- 小規模事業者持続化補助金:小規模事業者が販路開拓等に取り組む費用の一部を補助する制度。
これらの補助金は申請期間や条件が定められているため、情報システム部として最新情報を確認し、計画的に申請準備を進めることが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 初期費用や月額費用はいくらくらいかかりますか?
初期費用は、ハードウェアの種類や台数、導入設定の複雑さによって大きく異なりますが、小規模店舗でタブレット型POSを導入する場合で20万円~50万円程度が目安です。専用端末や複数店舗の場合は数百万円に及ぶこともあります。
月額費用(ランニングコスト)は、システム利用料や保守サポート費用を含め、数千円~数万円が一般的です。利用する機能や端末数によって変動します。
詳細な費用は、ベンダーへの見積もり依頼を通じて確認することをおすすめします。
Q2. 普通のレジからPOSレジへのデータ移行はスムーズにできますか?
データ形式(CSVなど)の互換性によります。商品マスタや顧客データの移行は可能ですが、過去の売上詳細データの完全移行は難しいケースが多いです。「新旧システムの並行稼働期間」を設けるのが一般的です。
まとめ
POSレジ導入は、要件定義や製品選びに目が行きがちですが、実は「納品された機器を正しく設定し、店舗に展開する(キッティング)」工程が最も泥臭く、トラブルが起きやすいポイントです。
「情シスのリソースが足りない」「全国の店舗に一斉導入したい」 このようにお考えのご担当者様は、ぜひ東信システムサービスのキッティングサービスをご活用ください。
面倒な設定作業や現地設置をプロが代行することで、「データの活用」や「業務改善」といったコア業務に集中いただけます。


